朝晩肌寒い季節、ひんやりした風を1番に浴びるのは肌です。秋は肌が乾燥しがちですが、皮膚に関する意外な事実。乾燥肌のスキンケアをする前に絶対読んでおきたいこと。今回のお話は乾燥肌が及ぼすストレスとホルモンの負のパワーのお話です。
人間にとって肌は最先端のセンサー。熱い、冷たい、しっとり、ざらざらなど真っ先に察知する重要な最先端センサーです。爬虫類にはうろこ、鳥には羽毛、哺乳類には長い体毛がありますが、人間だけが唯一皮膚を外界にさらし、多くの変化を読み取っています。その重要なセンサーの皮膚がダメージを受けて「乾燥」すると思いもよらない心や脳の不調を引き出すんです。その理由は・・・・。
皮膚でも作られていた!?
幸せホルモンとストレスホルモンの関係
疲れた時、アロママッサージなどにいくと、身体のコリだけでなく気持ちまでほぐれて、うとうととしてしまったことはありませんか?
これはマッサージによる皮膚感触によって「幸せホルモン」という「オキシトシン」が皮膚の表皮で作られるからです。
今までは脳の下垂体だけでしか作られないとされていた幸せを感じるホルモン「オキシトシン」が肌の表皮からも分泌されることがわかってきたんです。
ではその大事なセンサーである皮膚が乾燥してダメージをうけるとどうなるか。
皮膚が乾燥することで、負のパワー「ストレスホルモン」=「コルチゾール」が皮膚の表皮から発生し、脳に作用して不安感やうつなどの原因になります。
先ほどの幸せホルモンの真逆のパターンですね。
皮膚は人間の全身にはりめぐらせた大事なセンサーでもあり、バリア機能でもあります。季節の変化に応じて角層を分厚くしたり、炎症を防ぐために頑張って対応しようとします。戻ろうとする回復力をもちあわせている心強い味方です。
でも、加齢とともにその機能は衰えてきて、ダメージを受けて肌の乾燥がひどくなると回復力もついていけなくなる結果、ストレスを強く感じたり、気分のうつ状態が長引いたりします。
乾燥肌による肌の劣化は、鏡を見てため息、見た目でのがっかりだけでなく、肌が乾燥するという外的ストレスによって皮膚が不幸ホルモンを発生させるという悪循環を呼んでいるんです
ストレスホルモンを出さないように乾燥肌を防ぐ方法は?
- スキンケアでバリア機能を回復させること
- 優しいマッサージによって幸せホルモンを作る
- 体にいい食べ物を選ぶ
特に加齢によって乾燥がひどくなってくると意識して肌の手入れをすることが必要となってきます。
肌の手入れといっても高級美容液をたっぷり塗ってエステにいってという事でなく、家でできる基本のスキンケアを毎日コツコツ続けることが乾燥肌を防ぎ、潤いのある肌、透明感などの効果をアップしてくれます。
家でできる簡単な毎日の基本のスキンケア3本柱
- 洗顔(肌をきれいに洗う)
- 水分補給(潤いをたっぷり与える)
- 防御(紫外線など外的刺激から守る)
複雑なステップは長続きしません。この基本のスキンケア3本柱をこつこつと地道に続けていれば必ず肌は再生してくれます。放りっぱなしでもきれいな肌を保てる若い世代とちがって年齢肌は日ごろの手入れ次第です。ただでさえストレスの多い現代。肌表面からもストレスを発生させるなんて絶対防ぎたいですよね!!
マッサージによる皮膚パワー効果
マッサージはごしごしこすらないで。やさしい軽いタッチによるマッサージが皮膚感覚によって皮膚表面から幸せホルモン(オキシトシン)を出します。
さらに驚くことに、軽く皮膚をマッサージすることは幸せホルモンを分泌させるだけでなく、一酸化窒素も皮膚の表皮から作り出すことがわかってきました。それによって血管やリンパ管の流れをすみずみから循環させ皮膚の新陳代謝を促すんです。
ただ、コリがほぐれて気持ち良かった~だけではなく、こんな科学的な作用もおこしているなんて人間の肌のしくみってホントに奥深いですね。
「年だからしかたないわ~」と肌の乾燥をあきらめると肌の見た目だけでなく健康まで失うことに。これからの乾燥の季節、しっかり肌のスキンケアと軽いマッサージを習慣にしませんか。